手術後の不調の漢方治療

 せっかく手術をしたのにその後、疲れやすい、頭痛、めまい、便通異常、切開部位のひきつれなどが現れたり、また、手術部位によって様々な症状が出てくることがあります。

 この場合、現代医学では治療法がなくても、漢方では、手術の後ということから原因や治療法を考えることができます。

考え方について

 体の状態としては、手術の後は、冷え、血流不全、血の渋滞、気血精の不足などが起こりやすいです。

 手術室は寒いです。何時間もかけて手術室で手術を行った場合、体に冷えが残ることがあります。科学的に考えてそんなことがあるのかと(私も)疑問に思いますが、なぜかそういうことがあります。

 この場合、温める薬を使いますが、どこを温めるかと、温めたあと熱を蓄えるだけの血があるかを考えて薬を使います。

 また、血流不全や血の渋滞が残ることがあります。手術によって出血し、物理的に気血の通り道が壊されているため、血の渋滞が残りやすいです。この場合は、その方の体力に合わせて薬を選んでいきます。

 体のどの部位をどのような手術をしたのかも参考にします。手足よりお腹の手術の方が体力を消耗しやすく、骨を削る手術は精を消耗しやすいと考えます。

 手術は出血して血が体外へ出ていき、また切られた部分を自分の力で修復しないといけないので、気血や精の不足が起こりやすいです。本来なら、予防的に漢方薬を飲んだ方がよいのですが、術後にも適切な薬を選ぶことで対処できます。

 最終的には、どの原因がどの症状と結びついているかを、問診・脈診・舌診などを総合して判断し、薬を選びます。

治療について

  原因は1つとは限りません。複数の原因が絡んでいる場合は、どの程度の割合によって、薬の割合を調節します。

 また、その方の普段の体質によって薬を使い分けることもあります。

  2週間ごとに薬をお渡しして、効果をみていき、調子がよければ、長期でお薬をお渡しします。

  手術がきっかけとわかっているのに、現代医学では原因がわからない不調があれば、ご相談ください。