狭心症の漢方治療

 現代医学の標準治療を受けていることを前提にお話しします。

 治療を受けているにも関わらず取り切れない症状や、再発防止、病気が進行・発展するのを防ぐための漢方の考え方をお話しします。

薬の選び方について1

 狭心症の症状は、心臓の細胞が今必要としている酸素の量>血管から供給される酸素の量となったときに起こります。

 ほとんどの場合、血管に問題があり、心臓に酸素を運ぶ動脈が細くなるせいで、心臓の細胞の酸素不足となります。

 この血管が細い理由によって、薬を選びます。

 コレステロールが高い場合は、沢瀉や半夏、山楂子などが含まれる製剤を選び、血管内の詰まりを減らしていきます。

 体が冷えている場合は、桂皮、川芎、薤白など、温めて動脈を拡げる薬を使います。

 精神的ストレスや緊張に過敏な場合は、自律神経を調えてくれる、柴胡や香附子などを中心選びます。ここに、ガスが多い、お腹が脹るなどの症状があれば、白芍や厚朴など胃腸の痙攣を取る薬を選びます。

 すべてのベースに、心臓の動脈を拡張する田三七や丹参などを使用したりします。

薬の選び方について2

 また、その方の体質や食生活などからも薬を選び、根本治療を考えます。

 食事が乱れがちで、脂っこいものや甘いものをよく食べる方は、そこから生まれる”水”の影響を減らす薬を選びます。

 体が冷えている方は、心が冷えているのか、胃腸から冷えているのか、もっと芯から冷えているのかを考え、冷えの深さに合わせて薬を選びます。

 血の巡りが悪い方は、血の巡りが悪い原因を考えます。ストレスのせいか、水の巡りが悪いせいで血も巡りが悪いのか、そもそもエネルギーが不足して血を送り出せないのかなどを考えます。

リスクを上げる因子について

 狭心症では、喫煙習慣、高血圧、脂質の異常を正すようにも指導されます。

 タバコは、血圧や心拍数を増加させたり、赤血球の増加から血液の粘度を上げたりします。

 漢方では、タバコは熱の性質が非常に強いと考えます。熱エネルギーの増加により、血圧や心拍数を上げる、熱が強いせいで血液中の陰分(潤い、水分)が少なくなり、血液の粘度が上がると考えられます。

 高血圧は、心臓に負担をかけて酸素の必要量を上げます。

 脂質は、血管の中を詰まらせて心臓の細胞へ酸素を運ぶ量を少なくしてしまいます。

 高血圧や脂質異常症に対してお薬を服用している方は、続けていただいて差し支えありません。

 このように、狭心症が発展しないよう、症状が出てこないようお薬を考えていきます。