頻尿の漢方治療

考え方について

 頻尿の機序は、老化現象、下腹部や腰回りの冷え、泌尿器の筋力低下、精神的緊張、泌尿器の炎症や過敏性などに分けられます。

 老化現象では、腰痛や耳鳴りなど他の老化に伴う症状もあることも多いです。体が冷えているか熱を持っているかで、どんな薬を使うか考えます。

 下腹部や腰回りの冷えでは、その冷えがどこから来ているかを考えます。いつも冷たい場所で仕事をしているなら外から来る冷えを防ぐ、内側から冷えているなら代謝を高めたり胃腸の血流をよくすることを考えます。

 泌尿器の筋力低下では、全身的な疲れと頻尿の症状が関連していることが多いです。この時、肺や胃腸が冷えていないかを同時に確かめてお薬を決めます。

 泌尿器の炎症や過敏性がある場合、排尿時に違和感があったり、尿が黄色い時が多いなどの症状もあることが多いです。

治療について

 老化現象の場合、山茱萸や附子など神経に効くものや、黄柏などの膀胱の熱を取る薬を使います。同時に、ウォーキングなどで下半身をよく動かす、骨盤底筋トレーニングをすることが重要です。

 下腹部や腰回りの冷えの場合、血流をよくする当帰や川芎、麻黄や肉桂、乾姜や人参などを中心に使います。日常では、脚を冷やさないようにすることが重要です。夏場はクーラーから脚を守ること、冷た過ぎるものを摂取しないことに注意します。

 泌尿器の筋力低下の場合、黄耆などの筋力を高める生薬を中心に使います。この場合も、ウォーキングや骨盤底筋トレーニングを同時にすることで改善が早くなります。

 精神的緊張の場合、芍薬などの筋肉の緊張を緩める薬を使います。同時に、心と体の緊張を解くための自分だけのルーティンなどを設定するのもいいと思います。

 泌尿器の炎症や過敏性がある場合、黄芩や竜胆、滑石などの生薬を中心に考えます。普段の生活では、香辛料やコーヒーなどの刺激物を避けます。また、水分をやや多めに取ることもよいと思います。ただし、量は体質によります。水が不足している体質なら、1.5Lくらい摂ってもよいですが、もともと体に水が溜まっている体質なら、汗が出る夏場以外は1.0L程度飲めば十分で、多く摂った所でむくみに変わるだけであまり効果がありません。

 もし、膀胱炎の頻尿を繰り返すのであれば、西洋薬では対症療法しかできず、解決法がないことが多いです。その場合は、漢方薬で根本治療を目指すのがよいと思います。