痔の漢方治療

考え方について

 切れ痔(裂肛)か、いぼ痔(痔核)か、痔瘻かで対処法が違います。

 切れ痔の場合、便通のコントロールが重要なため、便通を正常にすることを目標にします。

 いぼ痔は、血液のうっ滞が本態なので、血流をよくすることを考えます。そこに、炎症による腫れが加わっていないか、下半身全体の冷えによる血流低下がないか、いきまないと便が出ないのか、など考えて薬を調節します。

 痔瘻は、細菌感染が原因のため、あるいは抗菌薬を併用しながら、瘻孔が早く閉じるように、膿を出すことと傷の修復を早める薬を選びます。気(エネルギー)と血(組織修復の元)の補充を主にして、気血の流れの良さや、冷えの有無などに配慮し薬を考えます。

治療について

 生活の上では、アルコールや辛いものなどの刺激物を避けることは、やっぱり必要です。血流をよくするため、通勤時間をウォーキングの時間にするなどの工夫もよいと思います。また、長時間の座位を減らす(ちょくちょく立ち歩く)などで血流のさらなる悪化を防ぎます。

 痛みや違和感などの症状を取るだけなら、比較的早く効果を感じられることが多いです。ただ、痔瘻の場合は、あなが塞がるまで数ヶ月かかることもあり、やや長期の服用となります。それでも、現代医学では難しい、組織の修復を早めることができるのは漢方を服用する大きな利点です。

痔を繰り返す場合

 切れ痔を繰り返す場合は、便通のコントロールが非常に重要なので、薬と生活習慣で正しく排便できるようにしていきます。

 痔核を繰り返す場合、お尻の気血水の巡りが悪いことが大きな原因と考えられます。再発予防には、大まかな症状が取れてから服用量を減らし、1日1回の服用に加え、運動習慣をつける、長時間の座位を減らす(ちょくちょく立ち歩く)などの改善をします。お薬は、ご本人と話しあいながら、数カ月単位で服用してもらいます。

 痔が治りにくい、再発しやすい方は、よければご相談ください。