夜に寝てからトイレに行く回数が多いと、しっかり寝ることができず、睡眠の質が落ちてしまいます。
仕事をされている方の場合、夜間尿でのパフォーマンスの低下は避けたいです。
考え方について
年配の方でまず考えるのは腎の衰えですが、胃腸の冷えが関わっている可能性があります。どちらが主に冷えているのかを考え、乾姜や桂皮などで、胃腸や腎を温めていきます。
また、足の筋肉のポンプ作用の低下から日中に足に水がたまり、夜になってその水が尿となることもあります。この場合は、胃腸の薬を中心にします。
夜間に排泄される不要な水を、昼間のうちに体から出すには、同時に、温める、血の流れをよくする、水を動かすエネルギーを補充するなどを併せて考えます。茯苓、沢瀉に必要なものを足していきます。
比較的若い方の場合、気や水の渋滞が関わっている可能性もあります。仕事やプライベートのストレスから、自律神経が乱れているのかもしれません。心の緊張、体(特に膀胱)の緊張を取る薬として、芍薬や厚朴などを考えます。
いずれの場合も、日中の頻尿を伴うかも重要です。日中の頻尿がある場合、どういった時にトイレに行くのかを聞いて、全身の冷えなのか、腎の衰えなのかなどを考える手がかりにします。
西洋医学的な病名について
西洋医学的な病名も、治療方針を決めるために考慮します。
過活動膀胱の場合、膀胱の筋肉の緊張が何から来ているのかを考え、前立腺肥大がある場合、血の流れをよくする薬を中心に考えます。
間質性膀胱炎がある場合、その炎症を抑えるために不要な熱を取る薬が必要なのか、血の巡りが悪いせいで熱化して炎症につながっているのかなどを考えます。
子宮脱がある場合、子宮の筋肉の緊張をよくして、膀胱に対する物理的な圧迫を減らしていきます。
高血圧があれば、日中のNa排泄を促す、心不全があれば、日中の利尿を促します。
治療について
多くの場合、体が冷えると尿の回数は多くなるため、体を冷やさない生活習慣が大事です。
また、水分を飲めばその分出るのは当たり前なので、夕方以降の水分量を減らす。熱中症の危険が無ければのどが渇いた時だけ飲む、のどの渇きが癒える分だけ飲むことも重要です。
寝酒は夜間尿に直結するので、ほどほどにすることが大切です。
年配の方の場合、夜間尿が全くなくなることは稀で、数回が1回に減る、何度も行っていたのが数回に減るなどのケースが多いです。それでもご本人にとってはかなりの負担軽減になります。
比較的若い方では、夜間尿なし、たまに1度あるくらいを目指してお薬をお渡ししていきます。。
